フリーランスと自営業の違いとは?個人事業主と同じ?フリーランスになれる・なれないタイプも紹介!

作成日:2020/10/14

 

現在、すでにフリーランスや自営業として活動している人でも両者の違いをわかりやすく解説することは難しいでしょう。今回はフリーランス・自営業、さらに個人事業主の違いと、フリーランス・自営業になるためのステップ、おすすめの職種などを紹介します。フリーランス・自営業に向かない人の特徴や活躍するために必要な姿勢もまとめました。

 

目次

 

■フリーランスとは?わかりやすく解説

 

■フリーランスと自営業の違い

 

■フリーランスと個人事業主の違い

 

■フリーランス・自営業になるには?仕事の選び方と手続き
(1)経験・スキル・興味を満たせる仕事を主要事業に
(2)必要な資金調達を
(3)開業届を出そう

 

■未経験・スキルなしからIT系フリーランス・自営業を目指せる職種ランキング
(1位)動画編集者
(2位)ライター
(3位)イラストレータ―

 

■フリーランス・自営業に向かないタイプ
(1)心配性
(2)面倒くさがり
(3)計算が苦手
(4)人と自分を比べる

 

■フリーランス・自営業になるには必要な意識
(1)納期は絶対死守
(2)安売りも高望みもOUT
(3)独立するなら貯蓄はマスト
(4)相談できる相手が必要

 

■フリーランス・自営業で自己実現するなら準備と心構えが必要

 

 

フリーランスとは?わかりやすく解説

ITフリーランス

 

フリーランスをわかりやすく説明すると「個人で仕事を請け負う働き方」のことです。

 

会社員との大きな違いは、フリーランスは雇用契約ではなく、業務委託契約を結ぶのが一般的で、企業や団体との雇用契約がないため「労働基準法」などの法律が適用されないことです。そのため、勤務時間や勤務場所などの面で自由度が高いものの、最低賃金や残業時間など、フリーランスには法律で定められたルールも適用されません。また、確定申告をはじめ、税金や保険(控除)などの手続きも自分で行なう必要があります。

 

内閣府や中小企業庁では、フリーランスとは以下の条件を満たすものと定義づけています。

①自身で事業等を営んでいる
②従業員を雇用していない
③実店舗を持たない
④農林漁業従事者ではない
※法人の経営者を含む

出典:内閣官房/公正取引委員会/中小企業庁/厚生労働省 フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン

 

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フリーランスと自営業の違い

フリーランスと自営業者

 

フリーランスと意味が似た単語として、よく使われるのが「自営業」です。自営業も自分で事業を行う人を指します。自営業とフリーランスの呼び分け方については、さまざまな見解がありますが、自営業は、飲食店などの実店舗を持つ人を指すのが一般的。一方で、フリーランスは自営業のように時間や場所の制約がなく、在宅でリモートワークする人も多くいます。

 

また、自営業は自ら店舗で小売業を営むことが多いのですが、フリーランスは他の会社から仕事を請け負う働き方です。内閣府などもフリーランスとは「実店舗を持たない」と定義づけています。この実店舗を持つかどうかが、自営業とフリーランスの違いでしょう。

 

 

フリーランスと個人事業主の違い

フリーランスと個人事業主

 

続いて「個人事業主」についてもわかりやすく解説します。フリーランスと個人事業主は同義語と誤解されがちですが、個人事業主とは開業届を提出して、フリーランスや自営業者といった個人で何らかの事業を行う人のことや税務区分を指します。

 

ちなみに「個人事業主になれない人」という法的な取り決めはありません。ただし、向かない人というのはいるでしょう。この記事でも解説します。

 

 

フリーランス・自営業になるには?仕事の選び方と手続き

趣味を生かして自営業をする女性


これまでの職歴を活かしてフリーランスになったり自営業を始めたりする人がほとんどですが、中には全く別の職種で独立・起業を目指す人もいます。フリーランスや自営業者になるためのスキルを教えるスクールなども開講されているので、どの職種で起業を目指すか参考にしてみるのもよいでしょう。フリーランスや自営業として活動する職種を選ぶ基準を紹介します。

 

(1)経験・スキル・興味を満たせる仕事を事業に

フリーランスとして仕事を獲得するとき、一番の武器になるのが実績です。自分のスキルや経験を発揮できる仕事かどうか、というのも仕事を選ぶ上で重要といえます。たとえば、営業職が長い人は営業資料作成の案件に参加したり、士業資格を持つ人は専門分野での記事執筆をしたりするなどもスキルを発揮したフリーランスの働き方としておすすめです。

 

また、フリーランスの入り口として、専門的なスキルがない人でも始められる仕事があることは知られてます。しかし、案件自体に興味が持てないようでは、長続きせず、求められる水準の任務が遂行できないこともあるでしょう。


経験やスキルを活かして興味が持てる案件を獲得し、フリーランスとしての実績を積み上げていきましょう。

(2)必要な資金調達を

フリーランス・自営業ともに、開業資金の掛からないビジネスもありますが、事務所を借りたり税理士と契約したりするのにも経費が掛かります。フリーランス・自営業者は、開業初月から売り上げが立たなければ収入が絶たれるため、生活資金も必要です。開業資金のすべてを貯金でまかなえればよいのですが、なかなかそうもいかない状況の人もいるでしょう。

 

個人事業でも日本政策金融公庫の一般貸付に申し込むことは可能です。法人化していなくても融資限度額は同じです。ただし、出資してくれる人や企業がいる場合は、会社設立も一つの手です。日本政策金融公庫や商工会議所などに相談してみるとよいでしょう。


また、経済産業省や厚生労働省、各自治体では起業に際してさまざまな助成金を用意しています。どの助成金も一定の条件や審査がありますが、利用できそうなものはないか、申請に必要な条件と書類などを確認してみるとよいでしょう。

(3)開業届を出そう

先日した通り、フリーランスも自営業も税務上は個人事業主として区分されます。個人事業主になるには、税務署への開業届の提出が必須です。開業届は「個人事業の開業・廃業等届出書」が正式名称です。事業開始日から1ヶ月以内の提出が原則ですが、もし忘れてしまったり諸事情により提出が遅れたりしても特に罰則はありません。

 

開業届の申請には下記が必要です。加えて、使用したい屋号や実店舗を持つ予定なら店名も考えておくとよいでしょう。

 

  • ・個人事業の開業届出・廃業届出書(税務署で入手できます)
    ・印鑑
    ・個人番号が分かるもの
    ・本人確認書類

 

また、開業届の他にも、確定申告時に青色申告をするのであれば「青色申告承認申請書」が必要です。新規開業の場合は、事業開始日から2ヶ月以内に提出する必要があります。青色申告にすると、手間は増えますが、最大65万円の特別控除や事業にかかる費用を経費として申告できるなど節税効果があります。

 

白色申告であれば、こうした手間は不要ですが、経費控除が受けられない場合があるので注意が必要です。青色申告承認申請には、税務署で入手できる下記の書類を提出します。

 

    • ・青色申告承認申請書
      ・所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
      ・青色専従者給与に関する届出書
      ・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

 

 

 

未経験・スキルなしからIT系フリーランス・自営業を目指せる職種

未経験からフリーランスを目指す人

 

これといった経験やスキルはないけれど、IT系のフリーランス・自営業を目指したい人にもチャンスがある時代です。どのような職業なら、未経験やスキルがなくてもフリーランス・自営業になれるのでしょうか?未経験から始められるおすすめのフリーランス職種をランキング形式で紹介します。

 

(1位)動画編集者

動画編集にはさまざまなスキルがいると思われがちですが、現在、ブログ代わりに日常を撮影し動画にしたり、切り取った画像をつなげて動画を作成しSNSに流したりして収入を得る人もいます。特に、SNSの動画編集は、企業が材料を用意したうえで発注してくるため、未経験者や初心者でもOKと案件に記載されているケースも多いです。


うまくいけば、動画コンサルタントとしての道や自営業として必要なスタッフを雇用し事務所を構えることもできるでしょう。現在、有料無料を問わず、動画編集に興味がある人に向けたさまざまなセミナーが開催されているので、試しに受講するのもよいでしょう。

(2位)ライター

企業などからの依頼を受けて何かしらの文章を書いて報酬を得るのがライターです。ライターの案件は、オンライン上で仕事の発注・受注ができるプラットフォームや求人サイトなどで仕事を見つけるのが早道で「初心者歓迎」「未経験者OK」といったライター募集広告も目にします

 

ライターの収入は、当人の力量やスキルによって大きな差があります。また、執筆物を提供する媒体は、Webメディア・広告・出版物・雑誌・本と多岐に渡りますが、ライター本人のネームバリューや媒体の運営元によっても報酬が異なります。


報酬の換算方法にも特徴があります。時給で報酬が決まる場合もありますが、プロジェクトや1文字単位で報酬が支払われるのが一般的です。企画や構成・取材・文字お越しなどもライターの仕事の範疇とする企業もあり、作業量や難易度によっても報酬に差があるでしょう。

(3)イラストレータ―

以前は、イラストレーターというと絵が上手な人・独創性のある人というイメージがありましたが、最近はIllustratorやPhotoshopなどのソフトが使いこなせる人であれば、イラストレーターとしての実績がなくてもフリーランスとして活躍できる可能性が高まっています。

 

駆け出しのイラストレーター向けの案件は、オンライン上で仕事の発注・受注ができるプラットフォームや求人サイトなどで見つけられます。IllustratorやPhotoshopを使ったことがある人、「こういうイラストを描きたい」という思いがある人は「初心者歓迎」「未経験者OK」といった案件にチャレンジしてみましょう。

 

現在、イラストの仕事として多いのが、メディアの記事に載せるイラストやバナー広告などのイラストです。実績を積み上げれば、指名での受注や高い報酬も期待できます。

 

 

フリーランス・自営業に向かないタイプ

悩むフリーランス人材

 

フリーランスや自営業になるのは、難しいことではありません。現在、副業への理解が進み、会社員をしながら、空いている時間にフリーランスや自営業として活動する人が増えています。

 

ただし、フリーランスや自営業に向かないタイプの人もいます。完全に独立する際は、フリーランス・自営業に向かないタイプの人は熟考した方がよいでしょう。しかし、誰にでも心当たりがある性質ともいえるので「フリーランスや自営業を目指すなら改善した方がよい短所」として読んでみるとよいでしょう。

 

(1)心配性

慎重なのはよいことですが、先のことを考えすぎてネガティブに陥る、心配性タイプはフリーランスや自営業を選ぶと、困難の連続かもしれません。フリーランスや自営業にとって、仕事は自ら獲得しに行くものです。また、契約にありついても、いつまで継続されるかは誰にもわかりません。


心配性が過ぎると、案件への応募自体に躊躇してしまったり、閑散期に過度に落ち込んでしまったりして身が持たない危険性があります。案件の応募に落ちたり、契約が切られたりしたときに「自分には合わなかった」という客観的な姿勢も必要です。閑散期には「いい時もあれば悪い時もある」と楽観的に捉え、一喜一憂しないことも大切になるでしょう。

(2)面倒くさがり

やるべきことを先送りにしてしまう、面倒くさがりタイプの人もフリーランスや自営業には向きません。フリーランスや自営業は、一人で企業を運営するのと同じです。総務や経理、営業などさまざまな部署を賄う必要があります。


売上帳簿への記載、確定申告などの税務作業や、苦手な取引先との会話、必要な備品の買い出しなど、事業とは直接関係のない雑務を面倒くさがってしまう人はどこかで追い込まれる事態に直面するでしょう。面倒くさがりだと自己判断している人ほど「やるべきことをやるべき時にやる」といった意識が必要になるでしょう。

(3)計算が苦手

フリーランスや自営業は事業での実力・才能だけでなく、経営管理能力も必要です。収入や必要経費・運営費、保険、税金額など、常に計算しながら事業運営することが求められます。

 

もし経費計算や確定申告を税理士に依頼する場合でも、計算処理能力は必要です。計算が苦手でいつも避けている人はフリーランス・自営業の活動に行き詰まる可能性が高いです。


ただし、現在は簡単に利益や税金の産出ができるオンライン完結型の会計ソフトも増えています。こうした会計ソフトでの経理処理をまめに行ったり、常に経営者目線で日常の買い物や経済ニュースを捉えたりすることでカバーできるかもしれません。

(4)人と比べがち

フリーランスや自営業ではなくても、周囲と自分を比較してばかりいると過剰にネガティブに陥ったり、自分を客観視できなくなったりするものです。特に、フリーランス・自営業という働き方を選んだのなら、自分で自分の事業に納得できることが何よりも大切でしょう。

 

もちろん、市場を知るという意味で周囲にも目を向けることは必要です。参考になることがあれば、どんどん取り入れていきましょう。ただし、自分の目指す収入・働き方・クライアントからの評価のためへの努力は大切ですが、誰かへの競争意識を持つのは、自分の首を絞めかねません

 

周囲と自分を比べそうになったら、フリーランス・自営業を志した頃の目的や理想を思い起こすことです。そのためにも、フリーランス・自営業を目指す人は、できるだけ詳細な自分なりのキャリアプランを考えてみましょう。

フリーランス・自営業になるには必要な意識

フリーランス 検討中

 

フリーランスや自営業者として事業を開始・継続していくには、会社員とは異なるマインドセットが求められます。「社会人として当たり前のこと」と捉えられがちなものもありますが、改めてフリーランス・自営業として活動していくために大切な意識を紹介します。

 

(1)納期は絶対死守

当たり前のことのように聞こえますが、フリーランス・自営業の場合、受注した仕事の成果はもちろん、納期を死守する姿勢が求められます。特に、契約開始から間もないうちは肝に銘じて仕事に取り組みましょう。

 

資格やスキル・実績が伴う、ベテランでも納期を守れない人は契約を継続してもらえないことがあります。未経験者や初心者でも仕事に真摯に取り組み、納期をしっかり守る人は重宝されます。


やむにやまれぬ理由で納期がどうしても遅れることもあるでしょう。そんなときは、なるべく早く受注先に相談するのが鉄則です。

(2)安売りも高望みもOUT

一部の高スキルを必要とする案件以外は、駆け出しの頃はなかなか高い報酬が期待できません。しかし、報酬はやりがいと仕事の成果に反映されるものです。自分のスキルや時間を安売りしすぎるのはおすすめできません

 

ただし、フリーランス・自営業として駆け出しの頃に、あまり高望みしすぎても案件を獲得できなかったり、それだけ難易度が上がったりして、苦しい状況に追い込まれかねません


あらかじめ、相場をしっかり調べたうえで、一定の報酬水準を定め、それ以上の単価の仕事を引き受けるのが得策です。自分の決めた水準以上の仕事を獲得するには、何が必要か、どのようなスキルを磨いたらよいか、などがおのずと見えてくるでしょう。

(3)独立するなら貯蓄はマスト

週末起業や副業などで、フリーランス・自営業活動で満足しているのなら別ですが、いつの日か現在の勤務先を辞めて独立することを夢見ているのなら貯蓄はマストです。


開業や運転資金を融資や助成金で用意しようと考える人もいるかもしれません。しかし、その審査でも、貯蓄額は大きな審査対象になるといわれています。さほど開業資金がかからない事業でも、少なくとも1年以上の生活費と同額の貯蓄を意識しましょう。普段から節約や貯蓄を心がけることで経済観念や経営者感覚も磨けます。

(4)相談できる相手が必要

フリーランスや自営業という働き方は、自由である一方で孤独なものです。また、情報収集なども自ら率先して行わないと社会から取り残されたような気持ちになることもあるでしょう。

 

フリーランス・自営業として活動すると決めたら、支えてくれる家族やパートナー・友人に打ち明け、理解を得ましょう。主要とする事業のフリーランス人材コミュニティにも参加し、横のつながりと情報網を作ることもおすすめです。

 

また、税金や経費など、お金に関することについても相談できる相手がいると心強いものです。経費は掛かりますが、完全に独立するなら税理士事務所と契約するのもよいでしょう。商工会議所の起業相談を活用したり、相談サービス機能がある会計ソフトを契約したりするのが一般的です。

 

 

フリーランス・自営業で自己実現するなら準備と心構えが必要

 

フリーランスと自営業は、実店舗があるかどうか、という違いがあるものの、税務的にはどちらも個人事業主とされる働き方です。どちらも自由度が高く、個人で収入ややりがいを高められる働き方ですが、孤独や不安が付きまとう働き方ともいわれ、向かない人もいます。

 

しかし、自分の弱点を知り、未経験やスキルなしでも適性がある職種を選ぶことで、フリーランス活動を通して自己研鑽・自己実現が叶うでしょう。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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