【ITコンサルタント】業務改善・改革の支援方法や業務コンサルとの違いは?役立つ資格と未経験からキャリアチェンジする方法

最新更新日:2022/07/21
最新作成日:2022/07/21

 

ITコンサルタントは、従来、企業のIT化のみを担当する業種と捉えられていました。近年は、業務改善や業務改革での手腕を期待されるケースが増えています。ITコンサルタントと業務コンサルタントとの違いや具体的な支援方法、またITコンサルタントへの転職の際におすすめな資格や転職活動について解説します。

 

目次

 

■業務改善のプロフェッショナル!ITコンサルタントとは?
(1)業務改善と改革を担うERPコンサルタント
(2)サプライチェーン効率化を支援するSCMコンサルタント
(3)顧客との関係性を構築するCRMコンサルタント

 

■業務コンサルタントとITコンサルタントの違いとは?

 

■業務改善ITコンサルタントに転職をするなら
(1)各求人サイトを利用する
(2)マッチングエージェントに登録する

 

■業務改善・改革を手掛けるITコンサルタントになるには?
(1)未経験者でもなれる?
(2)システムエンジニア(SE)からの転向は?

 

■業務改善ITコンサルタントになるなら資格は必要?
(1)ITストラテジスト
(2)ITコーディネータ
(3)中小企業診断士

 

■業務改善・改革プロジェクトを仕切るITコンサルタントになるには幅広い知識が必要

 

 

業務改善のプロフェッショナル!ITコンサルタントとは?

チームで話し合うITコンサルタント

 

ITコンサルタントは、企業の課題をIT技術によって解決するのがミッションです。具体的な業務は、ITツールやシステムを利用し、企業のDX化やシステム構築を指揮し、業務改善や経営戦略を管理・実行することです。


クライアント企業の業種や業界、経営戦略として「どの部分の業務改善を請け負うか」によって、ITコンサルタントのなかで、呼び名・手掛けるシステムが異なります。代表的なITコンサルタントの種類を紹介します。

 

(1)業務改革の立役者ERPコンサルタント

「ERPコンサルタント」とは、各ベンダーが開発したERPパッケージに精通したコンサルタントのことを指します。SAPコンサルタントと混同されがちですが、「SAPコンサルタント」とは、SAP社のERPパッケージ導入支援に特化したコンサルタントのこと。SAP以外にも、OracleのERPパッケージについての知識があるとよいでしょう。

 

クライアント企業の経営課題解決に向けて業務改善・改革に最適なERPを選択、最適化させながら運用する知識が求められます。そのため、クライアント企業に必要な業務を把握し、動線を可視化、分析する能力が必要です。経営はもちろん、コスト管理や税務・法務といった知識があると仕事がしやすくなります。

(2)サプライチェーン効率化を支援するSCMコンサルタント

SCMとは「Supply Chain Management」の略です。サプライチェーンとは、原材料調達から製造・出荷・消費者の手元に届くまでのプロセスです。つまり「購買と物流」一連のフローをSCMと呼びます。

 

SCMコンサルタントは、SCMの分野から企業を経営課題解決やコストの削減に導くことがミッションです。SCM管理システムの効果を予想・調査・分析し、システムの選定・提案・導入から運用までのコンサルティングを担当するため、ITコンサルタントの一種と考えられています。SCM管理に必要な人材の調達、プロジェクトチームのサポートや管理、コスト管理などもSCMコンサルタントの仕事です。

 

SCM管理は「第2の収入源」ともいわれています。SCM管理により利益率が向上すれば、大きな収益につながるからです。そのため、ITコンサルタントの中でもSCMコンサルタントの需要は非常に高く、手腕が評価されやすい傾向があります。

(3)顧客との関係性を構築するCRMコンサルタント

CRMコンサルタントとは、CRMと呼ばれる顧客管理システムやツールに特化したコンサルタントのことです。CRMコンサルタントには、ITトレンドへの知見やマーケティング・営業経験、CRMを使った経営課題の解決が必要とされるためビジネスセンスも求められます。CRMコンサルタントが生まれた背景には、移り変わりが早い現在のビジネスシーンで、個人・企業に関わらず顧客への継続的なフォロー・アプローチが重要視されていることがあげられます。

 

つまり、ECサイトやSNSなど顧客と企業をつなぐチャネル・ツールが増える現在、顧客との関係性づくりやコミュニケーションを一元管理できるCRMの導入が企業の継続と成長には欠かせないのです。CRMから得た情報が、従業員やチームの垣根を越えて企業に共有・蓄積され、マーケティングやナーチャリング・サービス向上・営業に役立っています。

 

一方で、導入したCRMが企業のサービスにあっていなかったり、従業員に効果を最大化する知見がなかったりして、有効活用できていない企業も少なくありません。そうした企業で既存のCRMシステムの能力を最大化したり、CRM導入を考えている企業でツールの選定・分析・提案・導入・運用・保守までを担ったりできるCRMコンサルタントが求められているのです。

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業務コンサルタントとITコンサルタントの違いとは?

コンサルタントとMTG

 

現在のビジネスシーンでは、ITコンサルタントに「業務改善コンサルタント」としても手腕を期待するケースが多いです。しかし、従来は業務コンサルタントといえば、企業全体の効率化など、包括的に業務改善を支援するのが仕事でした。一方で、ITコンサルタントは企業運営に欠かせないITにまつわる課題解決が仕事と区別されていました。

 

企業運営には、営業・販売といったお金を生み出す業種・部署のほかに、経理や商品管理・人事・総務・サービス開発などの業務も必要です。さまざまな業種・部署が円滑に回ることで万全な企業運営が成り立ちます。基本的に、業務コンサルタントは、多分野の部署の業務を理解し、それぞれがスムーズで効率的な業務を行えるように企業に改善策を提案し、実行・運用を担っていました

 

近年は、IT技術の発達と浸透により、業務改善や各部署の負担軽減・部署同士の連携にITシステムやツールを利用するのが通例化しました。その影響で業務コンサルタントにITコンサルティングの知見が必要とされたり、反対にITコンサルタントに業務改善の知見が必要となったりした背景があります。現在は、業務コンサルタントとITコンサルタントの職務に垣根がなくなったといえるでしょう。

 

 

業務改善を担うITコンサルタントに転職をするなら

ITコンサルタント のイメージ


業務改善に重きを置いたITコンサルタントとして転職するには、業務改善専門のコンサルティングファームやベンダー企業の経営戦略部門などへの就職を目指すのが早道です。転職活動には転職サイト転職エージェントの利用が良いでしょう。それぞれのポイントや注意点を紹介します。

 

(1)転職サイトを利用する

特殊なスキルや知識、資格を必要とする職種の場合、その業界や職種に特化した転職者向けの転職サイトがあります。ITコンサルタントへの転職は、コンサルタント専門やIT人材専用の転職サイトを利用するのが得策です。

 

掲載されている求人情報の中から、業務改善に重きを置いたITコンサルティングなのか、システムやツールの設計開発・運用業務が主な業務なのか、自分の特性を踏まえ、応募の見極めを行いましょう。

(2)マッチングエージェントに登録する

コンサルタントと企業を結ぶ、マッチングエージェントを利用するのもおすすめです。たとえば、弊社株式会社みらいワークスのフリーコンサルタント.jpでは、専属のエージェントが、コンサルタントと二人三脚で希望に合う企業やプロジェクトを探します。

 

また、マッチングエージェントの多くは独自のサポート制度を設けています。どのようなサポートを行っているかは、運営元の企業によって異なります。フリーコンサルタント.jpでは、交流会や職務経歴書の添削・取っておくと良い資格の情報やアピールすべき実績のアドバイスなど、転職希望者一人ひとりに沿ったオーダーメイドの対応を行います。

 

フリーランスのコンサルタント向け案件が多いか、正社員雇用を見越しての紹介案件が多いかも、各マッチングエージェントの特色が出る部分でしょう。マッチングエージェントを選ぶときは、案件数や提示年収だけでなく、サポート体制やどのような特色の雇用条件の案件が多いかなども見て比較しましょう。

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業務改善・改革を手掛けるITコンサルタントになるには?

未経験者・SE


業務改善・改革を主とする業務コンサルタントやIT部分だけを統括するITコンサルタントを経験していないと、業務改善・改革を手掛けるITコンサルタントとして転職するのは難しいのでしょうか?未経験者やシステムエンジニア(SE)からのキャリアアップは可能か、ITコンサルタントになるには、どのような意識が必要かを紹介します。

 

(1)未経験者からITコンサルタントは可能?

ITコンサルタントは資格を必要としないので、未経験者でも将来のキャリアパスとして目指すことは可能です。年齢やこれまでの職歴は確認されますが、今活躍中のITコンサルタントでも初心者の時期があったはずです。チャレンジしてみる価値はあるでしょう。


ただし、未経験者でもITコンサルタントとして採用された場合、ITに関する知識はもちろん、各業界・企業の知識、プロセスの理解・情報処理スキルなどが求められます。分からないことは自分で調べて対応するなど、自ら食いついていく姿勢が必要とされるでしょう。

(2)システムエンジニア(SE)からITコンサルタントへの転向は?

活躍中のITコンサルタントの中には、システムエンジニア(SE)からキャリアアップした人材もいます。企業の課題をITシステムを使って解決していく職種としてシステムエンジニアとITコンサルタントの親和性は高いです。

 

特に、システムエンジニア経験者のITコンサルタントに期待されることとして、癖のある現場技術者との意思疎通や品質管理ルールの徹底などがあげられます。こうした上流ポジションを経験したシステムエンジニアはITコンサルタントとしてのキャリアパスは十分に実現可能です。まずは、マッチングエージェントに登録して職務経歴書の見直しをしましょう。

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業務改善を担うITコンサルタントを目指すなら資格は必要?

資格勉強

 

「ITコンサルタント」になるのに必要な資格は特にありません。しかし、資格があることで「必要な知識がある」というアピールができます。足りない経験を資格試験に向けた学びの中で補うこともできるでしょう。


ITコンサルタントとして今後活躍するために資格の認定や取得を目指すなら、ITストラテジスト・ITコーディネータ・中小企業診断士がおすすめです。これらの資格について詳しく紹介します。

 

(1)ITストラテジスト

IT技術による企業の改革や最適化、高度化を目指すのがITストラテジストです。ITストラテジストを名乗るには、高度情報処理技術者試験の一つ「ITストラテジスト試験」の認定試験にパスする必要があります。

 

ITストラテジストの資格は難易度が高く、公認会計士や弁護士と並んで紹介されることもあるほどです。合格率は、例年14パーセント程度で、7人から8人に1人程度しか合格できません。本腰を入れて学ばなければ、合格は難しいでしょう。ITストラテジスト試験に合格すれば知識や能力が保証されます。


一方で、受験条件は特に設けられていないので、当人のやる気と努力次第で誰でも受験し合格できる資格でもあります。テキストを覚えるだけでも時間がかかり、独学では要点を押さえるのも難しいです。決まった時間に勉強ができる場合は、ITストラテジストの試験対策をしているスクールや通信講座に通うと良いでしょう。

(2)ITコーディネータ

ITコーディネータは2001年に経済産業省(当時は通商産業省)によって設けられ、取得を推奨されている資格制度です。企業のIT化をサポートする、IT専門家としての能力を証明できます。

 

資格保有者は7,000名を超えています。ITコーディネータの資格保有者は、その他にも中小企業診断士やITコンサルタント系の資格・公認会計士・税理士などの難関資格も有している人材が多いそうです。


ITコーディネータの合格率は毎年多少変動しますが、近年では50%から70%程度です。令和3年に実施された第44回試験では受験者数に対して合格率は65.7%でした。テキストや参考書による独学で合格する人もいますが、効率的に勉強をしたい人向けの試験対策用のスクールや通信講座もあります。

(3)中小企業診断士

中小企業診断士は、資格名だけを見るとITとはあまり関係がなさそうな印象を受けますが、ITコンサルタントを目指すなら、持っていた方が良い資格の一つです。 中小企業診断士は、経営コンサルタント向けの国家資格なので信頼性が高く、ITコンサルタントとして働く場合にも非常に役に立つ、キャリアアップにつながる高度な資格です。

 

ただし、その分難易度も高いです。中小企業診断士の試験は、1次と2次に分かれていますが、まず1次試験の合格率は20%程度です。残った20%の合格者も2次試験では更に数を減らし、1次試験合格者のうち、20%程度が合格の栄光を手にします。


中小企業診断士の資格認定を目指すのならば、日頃からしっかりと勉強する必要があります。クライアント企業やプロジェクトに応じた知識が求められるITコンサルタントには、努力を厭わない心と向上心が必須です。

 

 

業務改善・改革プロジェクトを仕切るITコンサルタントになるには幅広い知識が必要

業務改善ITコンサルタント

 

業務改善・改革の担い手として、さまざまなシステムに精通したITコンサルタントが提案段階から活躍しています。ITだけでなく、業務改善・改革などの戦略にまつわる知識も必要とされますが、自ら学び取る姿勢があれば、高く評価されるでしょう。

 

自分の得意な分野を見極めること、有利になる資格を取得することなどにチャレンジしてみましょう。自分に合う転職サイトやマッチングエージェントを見つけることも重要です。未経験者や今までシステムエンジニア一筋だった人も、まずはフリーコンサルタント.jpに登録して、ITコンサルタントへの可能性や転職で強みとなる経験やスキルについて相談してみましょう。

 

(株式会社みらいワークス FreeConsultant.jp編集部)

 

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